宮城県に住んでいます。内部被ばくと外部被ばくから受ける身体の影響について教えてください。

宮城県在住 30代 会社員 男性 の方からいただいたご質問
宮城県大和町に在住しています。先日町の職員に住んでいる場所の近くの放射線量を測定してもらったら0. 12マイクロシーベルト毎時でした。その後気になって5才の子供のおしっこを検査機関に送り、測定してもらったら2種類のセシウムが検出され、あわせて0. 8ベクレル/kgと検査結果がでました。このごろ頭髪が多く抜けるような気がしますし、よく風邪っぽくなるような気がします。今後もこの地区に住むべきか家族全体で悩んでいます。また、外部被爆の測定結果および、内部被爆の測定結果の数値を基にお答えください。
 

尿中のセシウムの放射能量より預託実効線量(70歳までの積算被ばく線量)を計算してみます。尿の比重を1g/cm3とすると一日あたり0.8Bqのセシウムを排出していることになります。環境モニタリングの結果より、福島第一原子力発電所から放出されたセシウム137とセシウム134はおよそ1:1で検出されておりますので、尿中にそれぞれ0.4Bqずつ存在しているとします。大量の放出のあった3月15日にセシウムを含んだ大気を一度に吸入し、検査されたのがそれから200日程度後だとします。以上の条件で、放射線医学総合研究所より公表されているMODAL3というプログラムを用いて、5歳児における、放射能量の測定値から預託実効線量への換算係数を求めますと、1Bqあたり1.029E-04(=1.029×10-4=0.0001029)シーベルト(Sv)です。よって0.4Bqの尿中のセシウム137から受ける預託実効線量は以下のとおりです。
 0.4Bq×0.0001029Sv/Bq=41マイクロシーベルト(μSv)
同様にセシウム134について計算すると71μSvとなり、合計で112μSvの預託実効線量です。この値では臓器の機能障害を起こすような身体的な影響は出ませんし、将来の発癌の可能性はほとんどありませんが、たとえあるとしても放射線による影響と他の要因を区別することはできません。詳細な計算方法及びMODAL3の使い方については、当HPの「息子の尿検査からセシウム137が検出されました。」という質問及び回答(http://radi-info.com/q-918/)を参照してください。
 外部被ばくについて、0.12μSv/hという空間線量率は、放射線の影響と他の要因を区別することのできない程度です。また、脱毛は数百万μSv程度被ばくした場合に認められる症状で、それ以下では発症しません。放射線の影響よりも心的要因によって体調不良を招く場合もありますので、必要以上に気にすることなく、普段通りに生活していただければと存じ上げます。
[参考文献]
放医研HP 尿中セシウムによる膀胱がんの発生について
http://www.nirs.go.jp/data/pdf/i5_4.pdf

放射線影響研究所 急性放射線症
http://www.rerf.or.jp/radefx/early/acute.html

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